人はなぜ、まわりに合わせてしまうのか。

音声と文字で解説するので、お好みの方でどうぞ!!
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「空気を読む」ことと、「自分の気持ちを見失わない」こと。
そのあいだを考えさせてくれる一冊です!
日常の“あるある”を、社会心理学の視点でやさしくひもといてくれる本
『眠れなくなるほど面白い 社会心理学』を読んで、社会心理学とは、ただ人の心を調べる学問ではなく、人が社会の中でどのように感じ、どのように行動するのかを読み解いていく学問なのだと知りました。
社会心理学と聞くと少し難しそうに感じますが、この本では、私たちが日常の中で経験していることが実は社会の中で自然に起きている心の動きなのだと、とてもわかりやすく説明されています。
特に印象に残ったのは、人は一人でいる時と、多くの人の中にいる時とでは、同じことでも判断が変わることがある、という内容です。
確かに私たちは、自分だけで考えているつもりでも、実際にはその場の雰囲気や、まわりの人の反応に大きく影響を受けています。
私自身も、本当は少し違うと思っていても、その場の空気をこわしたくなくて、つい周囲に合わせてしまうことがあります。
自分だけが違う意見を言うのは勇気がいりますし、できれば波風を立てたくないと思うのは、とても自然なことなのかもしれません。
この本を読んでよかったと思ったのは、そうした行動を単純に「弱さ」として片づけていないところです。
人は社会の中で生きている以上、周囲の空気や人間関係から影響を受けるのは、ごく自然なことなのだとわかり、少し安心しました。
一方で、まわりに合わせることが必ずしも悪いわけではないけれど、その中で自分の気持ちや考えまで見失ってしまってはいけない、ということも感じました。
空気を読むことは大切です。でも、自分は本当はどう思っているのかを、ときどき立ち止まって確かめることも同じくらい大切なのだと思います。
仕事でも日常でも、人との関わりの中で判断をする場面はたくさんあります。
だからこそ、「なぜ自分はこう感じたのだろう」「なぜ相手はこういう行動をとったのだろう」と考える視点を持つことは、よりよい関係づくりにもつながっていくのではないかと感じました。
本書は、社会心理学という学問を難しい理論としてではなく、自分の毎日の出来事に引き寄せて考えられるようにしてくれる一冊でした。
人の心は、自分ひとりのもののようでいて、実はいつも誰かとの関係の中で揺れ動いています。だからこそ面白く、知ることで少し生きやすくなるのだと思います。
自分自身を理解するためにも、相手を決めつけずに見るためにも、たくさんの気づきを与えてくれる本でした。


