音声と文字で解説するので、お好みの方でどうぞ!!
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こんにちは!チェカンノです。
今回ご紹介する本は、鈴木涼美(すずきすずみ)さんが書かれた、『不倫論』です!
twitterで面白いという呟きを見たので気になって読みました。
芸能人や政治家など、すぐに話題になってしまう「不倫」をさまざまな角度から、
セクシーかつ高い学歴を持つ作者により綴られます。
不倫についてひたすら書かれている本です。
俗っぽい話が続くのかと思ったのですが、文体は論文っぽくて、結構真剣に読んでしまいました。
作者の、分析と大胆な意見
鈴木さんの筆致には、倫理的な分析や倫理論に終始しない柔軟さと大胆さがあります。
本書では、不倫が「悪」とされる側面だけではなく、それが人々の人生や感情に与える意味や、不倫に続く心理的な背景が深く掘り下げられています。
鈴木さん自身の実体験や観察をしながら言葉で語られる内容は非常に説得力があり、
読者はただの「外野」として不倫を批判するのではなく、そこに生きる人々の葛藤や悩みを知ることができます。
結婚は愛情の証なのか、社会的契約の一形態に過ぎないのか。
いきものにとって一パートナーと一生添い遂げる、ということがが必ずしも自然の形ではない、という指摘。
このような疑問を考えていくことで、不倫をただ非難するだけでは終わらない深い議論が可能となるのです。
本書が面白いのは、不倫を社会的な観点について深く考察している点です。
鈴木さんはこの矛盾を指摘し、不倫が社会的にどのように消費され、どのように裁かれているのかを考察します。
スキャンダルとしての不倫の考察が興味深い
また、現在の日本では、不倫がスキャンダルとしてメディアで大いに取り上げられるケースが増えています。
このような風潮について、鈴木さんはそれが「正義」や「倫理」だけではなく、
不倫を報道することで得られる視聴率や影響力などにより、
不倫は当事者間だけの問題ではなく、社会全体が関与する問題は今後拡大していることを指摘しています。
芸能人の不倫なんて、個人的なことだと思う(被害を受けてるのは当事者だけ)のだけど、
なぜかとても長いこと報道される気がする!!
#視聴率とれるからなのか?
重いテーマなのに軽やかな文章
鈴木さんの文章は知識ありながら軽やかで、難しいテーマを扱いながらも読者を引き込む力があります。
彼女の観察眼や比較例えのセンスは非常に鋭く、それぞれのエピソードや分析に具体性と彼女自身の経験や考えが随所に反映されているため、
長編学術的な論文とは異なり、人間的な温かさや懸念が感じられるものの魅力です。
鈴木さんが語る不倫のエピソードには、彼女自身が経験した感情や、それをどう解釈するかが含まれています。
これにより、読者はただ「不倫は良い」か「悪い」かを考えるのではなく、事件に関して多様な感情や状況を理解することができます。
不倫をしてる人も、してない人も
『不倫論』は、不倫に対して固定観念を持つ読者にとって新たな視点を提供する一冊です。
また、不倫、結婚や愛情、そして人間関係特有が現代社会の中でどのように変化しているのかを考えるきっかけになり、
人の生き方や価値観に切り込みます。
鈴木涼美さんの率直でありながら知的な筆致、不倫というテーマを考える機会をいただくことができました。
この点が、この最大の魅力と思います。
映画や聞いたことあるニュースの実例も交えていて、具体的にイメージすることができました。
自分の価値観の幅を広げるための、想像力を広げるための一冊としてもいいかもね!
それでは、ここまで読んでいただいてありがとうございました!
チェカンノでした!またね♪