音声と文字で解説するので、お好みの方でどうぞ!!
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こんにちは!チェカンノです。

今回ご紹介する本は、岸見一郎さん、古賀史健さんが書かれた、「幸せになる勇気」です。
前に解説させていただいたベストセラー「嫌われる勇気」の続編になります。
有名な本なのでご存知の方も多いと思います。

「嫌われる勇気」の感想文はこちら>>

今回は「是非解説を!」とリクエストいただいたので、やらせていただいてます。

リクエストはあった時にでも、メッセージでも、SNSでもお気軽にどうぞ

幸せのベースは、「共同体感覚」をベースにさらなる真実を追い求める本作

前回の「嫌われる勇気」では、
未来も過去も関係なく「いまここ」を生きることで人は幸せになっていく
という一つの答えが語られていました。

その概念である、「共同体感覚」をベースにさらなる真実を本作では追い求めています。

ざっくり、あらすじ

『幸せになる勇気』では、哲人と青年の対話が再び繰り広げられます。前作でアドラー心理学の基本を学んだ青年は、社会の中でアドラーの教えを実践しようとしますが、現実の壁にぶつかります。彼は、他者との対立や、アドラーの理論が理想的すぎるのではないかという疑問を抱きながら再び哲人のもとを訪れます。

主な3つのテーマ

「幸せになる勇気」のテーマは主に3つです。
これは嫌われる勇気、でも語られた内容と重複はするのですが、その理由が更に深く書かれています。

その1 愛の問題

愛は自己中心的ではなく、他者との相互的な関係の中で生まれるものであり、共同体感覚の延長線上にあるものです。哲人は、愛は「課題の分離」が重要であり、お互いが対等で自由な関係を築くことが求められると教えます。青年は、恋愛や家族関係の中でどうすれば自分も他者も幸せになれるのかを問いかけます。
そして、この「愛」無くしては幸せにつながることはない、と断言しています。

その2 共同体感覚と社会貢献

アドラー心理学では、他者とのつながりや貢献が幸福の鍵とされています。『幸せになる勇気』では、この「共同体感覚」がさらに掘り下げられ、個人の幸福は他者の幸福と切り離せないことが強調されます。青年は、他者との協力や貢献を通じてどのように自己実現を果たしていけるのかを学びます。

その3 自由と責任

哲人は、自由とは責任を引き受けることであり、他者からの承認や期待に縛られず、自己の選択に基づいて行動することが真の自由だと語ります。しかし、それは孤立を意味するのではなく、他者との共存の中での自由であるべきだという視点が重要です。
そして、その自由と責任を引き受けるためには「自立」することが大切だと説いています。

嫌われる勇気の内容を更に具体的に説明した、指南書

本当にアドラー心理学を実践していくためにつまづいてしまう問題点を「教師」として仕事をする「青年」が一つ一つ哲人に悩みをぶつけていきます。
その悩みは人生で誰もが当たる悩みで、その対処法、考え方が書いてある良書です。

もちろんその実践の道はなかなか簡単なものでもないと思います。
だけど、それを一つ一つ進めていくことによって、愛を持ってすべてのものに関わっていけるのかもしれない、と思いました。

私が一番感銘を受けたのは、
「全ての出会いと全ての対人関係において、ただひたすら「最良の別れ」に向けた普段の努力を傾ける」
という部分です。
出会いは別れのためにある、という言葉を聞いて、
仏教の禅僧・仙厓 義梵(せんがい ぎぼん)が書いた、「親死ぬ、子死ぬ、孫死ぬ」 という言葉を思い出しました。

「親死ぬ、子死ぬ、孫死ぬ」祖死父死子死孫死
ある年の正月、黒田藩の役人が聖福寺に年始に参り、仙厓義梵に「何かめでたい言葉を書いて欲しい」と依頼した。仙厓義梵は「よしよし」と、すぐに筆をとり、「祖死父死子死孫死」と書いた。役人は顔をしかめて、「めでたいことをとお願いしたのに、これはひどい。縁起でもない」と怒り出した。すると仙厓は次の様に言った。「そうだろうか、まず爺さんが死ぬ。次に親父が死ぬ。次に子が死んで、その後に孫が死ぬ。順序正しく死んで行けば、家中に若死するものがないということだ。だから、こんなめでたいことはない」

wikipedia より


どんな人間でも死に向かって生きている。でもその私の瞬間まで精一杯生きることが幸せにつながっているのかな、って。
そんなことを思いました。

「別れ」というと少し寂しい。けど、いつかは誰もが死を通して別れという現実を迎える。
時間の長さに関係なく、出会った瞬間から、別れまでの関係を精一杯築ければいいと思う。


それでは、ここまで読んでいただいてありがとうございました!
チェカンノでした!またね♪

音声解説「幸せになる勇気」

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