音声と文字で解説するので、お好みの方でどうぞ!!
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こんにちは!チェカンノです。
今回ご紹介する本は、鴻巣麻里香さんが書かれた、「わたしはわたし。あなたじゃない。」です。
鴻巣さんは、ソーシャルワーカーとして活躍されていて、
前に解説させていただいた「思春期のしんどさってなんだろう」も書かれています。
「思春期のしんどさってなんだろう」の感想文はこちら>>
こども食堂も運営されていて、ソーシャルワーカーとして「こども」と関わり続ける麻里香さんが、
心を守りながら幸せに生きていくためのヒントを書いた本です。
対人関係において大切な「距離感」について書かれています
バウンダリー(心の境界線)の引き方、を考えるきっかけをくれる本
この作品は、「わたしはわたし」という言葉で表されるように、自分自身の個性や価値観を見つめ、他者と異なる自分を受け入れることの大切さを伝えています。
同時に、「あなたじゃない」という表現が示す通り、自分が他人と違う存在であることを認識し、他者を自分の基準で判断しないことの大切さもテーマの一つです。
このテーマは、他者との関係の中で生じる葛藤や比較、他人からの期待に対するプレッシャーについて触れることでより深みが増しています。
作品を通じて、他人の目や期待に左右されず、自分を大切にしながらも、他者を理解し尊重する姿勢を学ぶことができます。
このため、「わたしはわたし、あなたはあなた」といった自己と他者の境界を受け入れることが、作品のテーマの中心に据えられています。
紹介されているケースは様々です。
友人関係、恋愛関係、親との関係、ここ最近悩んでいる人が多い、SNSとの距離の取り方など、誰でもぶつかったことのある悩みについて具体的なケースが紹介されています。
ケースのどれかは、きっと悩んだことのあるテーマに共感してしまうと思います。
また、「なるほど、こういうふうに対応するとスムーズなのかもしれない!」という具体的なヒントも散りばめられています。
自分を通した他人、他人を通した自分を客観的にみるきっかけをくれる
「同性の子が好き、という秘密を告白されて、悪意なく、その秘密をバラしてしまった。」
という事例がありました。
他人がどれだけの勇気を持って、自分にその秘密を告白してくれたかは案外わからないものです。
私は特に理由もなく秘密が多い人間なので、
他人に何かを伝えるストレスに関してはものすごく共感してしまいます。
秘密を告白することは、勇気がいること
秘密を告白することは、勇気がいること、それは「秘密が秘密でなくなるから」です。
他人に渡った情報はもう自分ではコントロールできません。
たとえ「絶対に言わないで」と口止めしたとしても人の口は止められないのです。
そんな秘密がうっかり漏らされてしまった時、どうする?
という繊細な問題が「オカちゃんの話」の事例として書いてありました。
「同性愛者だと告白したオカちゃんに対して「無意識」で差別的な行動や発言を行っていた。」
無意識の言葉の暴力は本人も自覚がないだけに辛い事実です。
でも、案外そういう出来事って日常に多いのではないでしょうか?
他人に向ける言葉が無意識に他人を傷つけることもある。
一度出てしまった情報は止められない。
起きた現象に対して、どう考え、どう対応するか。
傷ついてしまった本人の気持ちにどれだけ寄り添うことができるのか。
私だったらどうするだろう?
そんなことを考えさせられました。
優しい語り口で読みやすい
前作でも感じましたが、麻里香さんの語り口はとても具体的で、シンプルで、そうして、根底には対象へのリスペクトが溢れています。
ソーシャルワーカーとは、人と人を繋ぐ非常に気力も、頭脳も、体力も遣うお仕事だと想像します。
普段どれだけのことを考えて人と関わっているのか。
想像するだけで頭が下がる思いです。
そんな麻里香さんがお仕事を通して培った愛が溢れた本だと感じました。
「そんなつもりはなかったのに嫌われてしまうことがある」という方に読んでほしい
もしかしたら、それは相手と自分のバウンダリー(境界線)の場所がずれているのかもしれません。
この本には、10代の少年少女たちのたくさんのリアルなケースが書かれています。
人間関係でつまづきを感じる方、是非読んでみてください。
たくさんの発見があると思いますよ。
「そんなつもりはなかった」
無意識の罪ほど怖いです。
それでは、ここまで読んでいただいてありがとうございました!
チェカンノでした!またね♪